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☆スタッフITコラム☆
  システムを「外注」するときに読む本
 By やま 2017/07/31

先週、ネットの記事で『システムを「外注」するときに読む本』が紹介されていましたので、その内容について書きたいと思います。

この本の作者は、大手ベンダーでのプロジェクトマネジメント、コンサルティング職を経て、東京裁判所のIT専門委員として、法的紛争となったITトラブルを担当していた方が書かれた本です。

この本によると、日本のITシステム開発はほんの数年前まで3分の2が失敗しており、現在もなお、システム開発は他のプロジェクトと比べると成功率が低いそうです。
そんな状況のなか裁判に発展することも多く、その裁判事例が紹介されていました。

【裁判事例】
原告の発注者と被告のベンダーは、基幹業務システムの開発委託契約を締結した。
しかし、スケジュールが遅延し、期限を数カ月過ぎてもシステムは完成せず、発注者は契約を解除。支払い済みの代金2億5000万円の返却と損害賠償3億4000万円の支払いを求めて訴訟を提起した。
しかし、訴えられたベンダーは、開発遅延の原因は発注者による機能の追加・変更、その他の過剰な要求と、発注者が回答すべき懸案事項についての意思決定の遅れだとして、逆にベンダーから発注者にたいして、委任契約解除における報酬と損害賠償として、4億6000万円の支払いを求めて反訴を提起した。

判決はどうなったかと言いますと
裁判所はベンダー側の責任を認め、ベンダーに多額の損害賠償の支払いを命じています。
判決によると、被告のベンダーは、自らの有する高度の専門知識と経験に基づき、システムを完成させる債務を負っていた。
そのため、ベンダーは開発を進めるとともに、常に進捗を管理し、システム開発について専門的な知識を有しない発注者のシステム開発へのかかわりを管理し、発注者によって開発業務を阻害する行為がないよう、発注者に働きかける義務を負う。
ということでした。

簡単に言えば、「発注者がプロジェクトを乱すなら、ITの専門家であるベンダーは、それをリスクとして管理し、発注者が決めることを決めたり、プロジェクトを壊すほどの要件変更をしないように仕向ける義務がある。」ということです。

ならば全部ベンダー側が責任を負わなければならなくなるかというとそうでもなく、
ベンダーに丸投げするような態度をとると、今度は逆に「発注者の協力義務違反」に問われることになるそうです。

IT導入はなかなか難しい部分もありますが、発注者とベンダーとが互いに歩み寄って協力し合いながら進めていかないと良いシステムにはならないということかと思います。
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