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☆スタッフITコラム☆
  フォグコンピューティングについて
 By がっちゃん 2016/08/29

今日は、フォグコンピューティングについて書きたいと思います。
クラウド(雲)コンピューティングはよく聞く言葉だと思いますが、
フォグ(霧)コンピューティングという言葉は初めて聞いた方も多いと思います。

フォグコンピューティングは、米シスコシステムズが提唱している
「モノとモノとの通信」に欠かせないアーキテクチャ(基本設計)です。

インターネットにつながるものといえば、
PCやスマートフォン、タブレット端末などといった情報・通信機器が思いつきますが、
実際は、もっといろいろな“モノ”がつながっています。
例えば、人間の検針員に代わって電力メーターが電力会社と通信して使用料を申告するスマートメーターや、大型の機械などにセンサと通信機能を内蔵し、稼働状況や故障箇所などを製造元がリアルタイムに把握できるシステムなどです。
こうしたことを総称して「IoT(アイ・オー・ティー=Internet of Things:モノのインターネット)」と呼んでいます。
「インターネットにつながったデバイス(端末)は2009年に人の数を上回り、
12〜13年には125億のデバイスがネットワークにつながるようになった。
20年にはおそらく500億台のデバイスがインターネットにつながるだろう。
しかも、インターネットトラフィックの半分は、モノとモノとの通信になると言われているそうです。

現状のままIoT化が進むと困ったことが起きると言われています。
センサなどのデバイスから吸い上げられる大量のデータがクラウドコンピュータに集中し、
データ処理が追いつかなくなってしまいまた、
500億ものデバイスが生み出すデータ量は膨大で、何の手立ても打たなければ、
ネットワークのトラフィック爆発を引き起こしてしまうことも考えられます。
そこで、シスコが提唱するのがフォグコンピュータというものです。
クラウドとデバイスの間にフォグ(霧)と呼ぶ分散処理環境を置くことで、
大量のデータを事前にさばき、クラウドへの一極集中を防ぎます。
クラウド(雲)よりもデバイスに近いためフォグと名付けられています。
クラウドコンピューティングが、クラウドとデバイスの2層なのに対し、
フォグコンピューティングは、クラウドとフォグ、デバイスの3層構造になっている。
ネットワーク機器にアプリケーションの実行環境を持たせることで、
データが生成された場所に近いところで様々なデータの処理を行うことができるというものです。

フォグコンピューティングによって、実際にどんなことができるようになるかというと、
例えば東京のような都市で交通事故が起きた場合、救急車はなるべく早く現場に到着したいものですが、渋滞に巻き込まれてなかなか前に進めないことがあります。
フォグコンピューティングを導入すれば、スマート信号機のビデオカメラが救急車のライトの点滅を感知すると信号が自動で変わり、救急車が空いた車線を走れるようになります。患者を搬送する際、リアルタイムで患者の状態データを病院に送信することもできます。
また、製造業においては、センサからのデータをモニタし、製造ラインの故障や異常に対する予防保全を行うことで生産性を向上させることができます。
まだ聞き慣れないフォグコンピューティングという言葉ですが、
今後開発にはかかせない言葉になりそうです。


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